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国会等移転審議会公聴会における意見発表

1999年2月26日に霞ヶ関の中央合同庁舎第5号館で行われた「第3回国会等移転審議会公聴会」で、意見発表をしました。
会場で私と同じように意見発表をなさった方のご意見や、聴講された方のご感想など、私( [email protected] )までお寄せ下さい。
もしよろしければ、そのままここに掲載させていただき、首都機能移転の是非を巡る議論の活性化につなげたいと考えております。
審議会委員等の出席率の悪さもごらん下さい。

はじめに

 私は、内田と申します。民間の研究機関に勤務し、土地問題の研究をするかたわら、大学院にて土地法の研究を行っております。
 本日は、このような場で意見を発表する機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私は、全国で唯一、首都機能を「送り出す」東京都民として、まず、東京都民から見た東京一極集中の裏側、つまり、東京都民にとっては東京一極集中の歴史は、むしろ分散の歴史だったということについてお話しさせていただきます。
 続いて、一極集中や地価高騰を防止し、首都機能が地元の住民や産業、自然環境と共生する、ともに生きるために何が必要かという点についてお話しさせていただきます。
 そして、最後に時間があれば、広く国民の合意を得るための情報公開についても触れたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

東京都民から見た、東京一極集中の裏側

 まず一点目の、東京都民から見た東京一極集中の裏側についてお話しさせていただきます。
 東京一極集中の是正は、首都機能移転の意義のひとつにも数えられていますが、この東京一極集中の歴史は、東京都民にとってはむしろ分散、拡散の歴史でした。
 「3代続けば江戸っ子」といわれますが、私の先祖も古くから東京に住んでおります。しかし、東京一極集中の影響を受けて、住むところは次第に都心から遠ざかっております。
 私の家では、ここ霞ヶ関から一番近いところにあるのは、お墓です。私の祖父は、子供の頃、お茶の水のあたりの神田川でよく泳いだそうで、お墓はいまもその近くにあります。次に近いのが、両親の実家です。そして、一番都心から遠いところにあるのは、私がいま住んでいるところです。先祖は都心に眠っていて、生きている私は、毎日2時間半を費やして、都心に通っているわけです。
 このように、もとから東京に住んでいた者は、地価高騰や、居住環境の悪化で、どんどん郊外へと追いやられているというのが現状です。
 東京一極集中により、確かに人口は増え経済力も強くなりましたが、その裏側では従来の東京都民の分散、拡散が進んでいたのです。一極集中に、地域を取り上げられてしまったと言っても過言ではないでしょう。

誘致が本物になるために

 このことを踏まえまして、首都機能の受け入れ側の方々に強く申し上げたいことは、仮に首都機能の誘致に成功したとしても、自分たちがそこから追い出されたら、何のための誘致かわからないということです。
 実際、こういう問題に不安を抱く住民は、多いのではないでしょうか。
 平成8年に国土庁が行った「首都機能移転に対する国民各層の意見調査」では、首都機能移転については賛成する者が圧倒的に多いが、自分自身の現在の居住地に首都機能が移転することについては、賛否が拮抗する結果となっています。同様の結果を示す調査結果は、ほかにもいくつかあります。
 昨年の国会等移転審議会の意見聴取でも、環境破壊や地価高騰への心配があげられ、首都機能は迷惑施設ではないのかという、不安、疑問があるという声が示されたり、「県全体の発展と引き替えに地域を国に白紙委任するという懸念がある。」という発言があったと伺っております。
 このように、地元住民の一番の不安は、地価高騰があって、あるいは土地利用が混乱して、自分たちの生活が脅かされるのではないか、第二の東京が自分たちのまちにできてしまうのではないか、という不安ではないかと考えます。
 自分たちが首都機能に追い出されないようにするためには、何らかの対策が必要です。

対策

 首都機能の移転にあたって、このような問題が起こらないようにするためには、土地取引規制や都市計画を整え、移転先となる地域やその周辺地域に、地価高騰、一極集中、乱開発などが起こることを防止することが不可欠であると、私は考えます。
 土地対策に関しては、国会等の移転に関する法律などで、適切な土地対策を講じるものとするとされております。これらの制度を有効に活用し、土地投機が起こらないようにしていただきたいと考えます。
 また、国会等の移転に関する法律の基本方針では、第8条で「移転先の新都市が、自然環境と調和し、良好な居住環境等を備えた都市となるようにするものとする。」ともされております。一極集中や乱開発を防ぐうえで、こちらの対策も重要であると考えます。
 こうした対策がうまくいってこそ、首都機能移転によってその地域に新たに住む人と、現在住んでいる人との共生、あるいは、現在そこにある、産業と、首都機能との共生が可能になるのではないでしょうか。

情報公開

 最後に、情報公開についてですが、国の「首都機能移転ホームページ」には、審議会、調査部会、現地調査などの内容が詳細に載っており、とても参考になりました。
 今後もこのような情報公開により、オープンな議論を進めていただきたいと考えております。
 私も、本日の発表を夕方には自分のホームページで発信する予定でおります。

最後に

 繰り返しになりますが、首都機能の移転に当たっては、土地取引規制や都市計画を整え、移転先となる地域やその周辺地域に、地価高騰、一極集中、乱開発などが起こることを防止することが不可欠です。もしこれらのことが起これば、首都機能移転そのものがうまくいかなくなるばかりでなく、移転先となる地域やその周辺地域に住んでいた人達が、そこから追い出されてしまう、そこに住むことができなくなってしまうことになります。
 せっかく首都機能の誘致に成功しても、自分たちがその地域にいられなくなってしまうのでは、何のための誘致かわかりません。東京の二の舞になってしまいます。ひろく国民に開かれた議論を通じて、そういうことにならないような対策作りを望みます。
 ありがとうございました。

リンク

国会等移転審議会公聴会・委員等出席簿(内田輝明)
首都機能移転ホームページ(国土庁)
国会等移転審議会公聴会開催情報(国土庁)
国会等移転審議会第3回公聴会議事要旨(国土庁)
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