内田輝明の研究計画書(友人の研究計画書つき)

内田輝明が大学院出願に当たって提出した研究計画書(条件は800字以内)です。友人の研究計画書も載せていますので、あわせてご覧ください。
(なお、入試体験記はこちら、私が所属している研究室はこちら
修士論文の研究計画書は、2年生の春に改めて提出することになっています。


私は、土地に関する権利について長期的な視点から考え、土地に対する私権調整及び公的規制のあり方を研究したい。
定期借地権制度が創設され数年がたち、規制緩和の流れのなかで、借家についても正当事由制度を撤廃する定期借家権制度の法制化が議論されている。また、土地制度そのものについての議論は、地価の高騰、下落のたびに繰り返されている。
これらの議論には、政治的な思惑も多く絡むせいか、長期的な視点での議論や、土地に関する権利はどうあるべきかという根本的な議論が、必ずしも十分ではないように考える。このような現実に一石を投じることが、私の研究の目標である。
研究の手順としては、まず、歴史的経緯から最新の理論に至る、土地所有権の考え方の整理を行う。私は、学部では、民法を中心に土地法を学び、土地所有権の歴史的経緯を考え、土地に関する国民の意識にも触れながら、所有権のあり方についてゼミ論文をまとめた。この論文を発展的に再構成し、整理を行う。この作業は、歴史的経緯を踏まえたうえで、本研究課題を長期的な視点で考えるためにも重要であると考える。
そして、土地問題に関する判例研究を行う。判例を通じた法律の解釈という実践的な作業を通じて、民法・借地借家法等、土地に関する基本的な法律についての理解を深めたい。
また、土地問題に関する学術論文等をもとに、理論的研究を行う。この作業を通じて、高度な理論構築技術も習得したい。
定期借家権制度をめぐる、法学者と経済学者との議論に代表されるように、土地問題をめぐっては、学際的な見方、考え方が極めて重要である。本研究でも、法学、経済学、政治学、商学という領域に固執せず、総合的視野で研究を行いたい。
なお、できれば諸外国の土地制度等にも言及したい。 そのうえで、土地に関する権利のあり方について長期的な視点から考え、研究をまとめたい。
(ここからは、友人の研究計画書です。)

私は、会社の業務で都市再開発法に基づき都市計画の一環として建築される区分所有建物の管理規約等作成に関する指導・助言のコンサルタント業務を担当して、いくつかの法解釈上の問題に直面した。たとえば�@専有部分とはなにか。その範囲は法律上どこまで含まれるのか�A区分所有建物の大規模滅失と小規模滅失を分ける「建物価格の2分の1」という判定基準は、どのようにして求めるのか�B復旧決議に賛成しない区分所有者の「買取請求の場合の時価」と建替え決議に賛成した区分所有者の「売渡請求の場合の時価」は異なるか等である。その中でも特に興味を持ったのは�Bの「時価」の考え方である。というのは、将来的に区分所有建物の建替えは避けて通れない問題であり、必ずしも円滑に区分所有者の合意を得られるとは限らない問題ではないかと考えたからである。
したがって、建物区分所有法について沿革・立法趣旨・判例等基本的な事項を学習して、前述した「時価」の問題を次の通り研究したい。
まず、買取請求(建物区分所有法61条7項)の時価については、専有部分が滅失していれば、共用部分の持分権のみが「時価」の対象となるであろうが、共用部分は専有部分と分離不可分の関係にあるので「時価」を評価するにあたって法律上どのように解決すればよいかを研究したい。
次に、売渡請求(建物区分所有法63条4項)の時価については、建替えが実現した場合の区分所有権及び敷地利用権の価額から建替えに要する費用の分担額を控除して求める考え方と敷地の持分価額から現在の建物取壊費用の分担額を控除して求める考え方とあるが、再建建物と滅失前の建物との形状・規模等が、また専有部分の位置・床面積等が異なる場合において、当事者間の公平を保つにはどちらの考え方を重視すべきか研究したい。


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